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 LED電球の寿命って、どうなの?! 

  

今回はドット・デザイン・オフィスの技術担当スタッフより、「LED電球」についてのお話をお送りさせていただきます。割と小難しい内容となっておりますのでご注意ください!!

 

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昔ながらの「白熱電球」が隅に追いやられ、「LED電球」と呼ばれるものが主流を占める様になって来ております。

その最近多く使われ始めた「LED電球」に関して、今回はお話してみたいと思います。

 

 

 

まず、皆さんは「LED」と聞いて、何を思いだしますか?

「寿命が長い」「値段が高い」「消費電力が少ない」とか、「日本人によるノーベル賞受賞」などではないでしょうか。

 

皆さんが思い浮かぶ項目の中から「寿命が長い」について、初めに取り上げて見たいと思います。

私も含めて皆さんも、「本当に寿命が長い」のかについて疑問を持たれているのでないでしょうか??

 

 「結構高いお金を出して購入したのに、すぐ切れた」「ちらつきが出始めた」「暗くなった」などの話を、多くの方から聞きます。

 

この疑問に答える為、順を追ってお話しをさせて頂きたいと思います。

 

「LED電球」は「LED」と呼ばれる部品と、その他多くの「電子部品」によって構成されております。

最初に「LED」について理解を深めて頂き、その後「LED電球」の説明し、最後に「寿命」についてのお話しをしたいと思います。

 

LEDとは何なのか

 

「LED」は日本語では「発光ダイオード」、英語では「light emitting diode(ライト・エミッティング・ダイオード)」と呼ばれています。

 

「ダイオード」と呼ばれる、聞きなれない単語が出てきますが、ダイオードとは半導体です。

電気を通すものを「導体(どうたい)」と言い、電気を通さないものを「絶縁体(ぜつえんたい)」と言います。両者の中間的な特性を持つものが「半導体」です。

 

この中間の特性を持つことが非常に重要であり、熱、電気、放射線などを加えるとその特性が大きく変わります。LEDの場合は電気を加える事により特性が大きく変わり、光を発します。

  

LEDの歴史

 

LEDは1962年に発明されましたが、最初は「赤色」しか作る事が出来ませんでした。その後「緑色」が作れるようになりました。

「赤色LED」「緑色LED」はテレビ、ラジオなどのスイッチの上にある、電源を入れると赤く光ったり、緑に光ったりする表示に多く使われましたが、その他の用途に広がる事はありませんでした。

 

それが「青色LED」が発明され、状況が一変します。

 

最近、日本人3人によるノーベル賞の受賞で有名になった「青色LED」は1990年代に発明されました。

「青」が出来ることにより、「光の三原色」が完成したのです。光の三原色とは「赤」「緑」「青」により全ての色が再現出来ると言う事です。これを「加法混合」と言いますが詳しくはWebで調べてみて下さい。

 

LEDはどうやって光らせるのか

 

LEDには電線を接続する場所が2箇所あります。一番簡単に光らせるには、この端子に乾電池を繋げれば良いのです。そうです、白熱電球と同じ方法です。

 

しかしながら、繋ぐ事の出来る電圧は大きく違います。

 

白熱電球は家庭用コンセントに直接繋ぎますので100ボルトで点灯出来ます。

LEDは発光する色によって違いますが、赤色・緑色では2ボルト。白色・青色では3~4ボルトです。単1、単2と呼ばれている乾電池は1本で1.5ボルトの電圧が取り出せますので、2本から3本で光らせる事が出来ます。

 

この様に小さな電圧で点灯出来ますので、間違っても家庭のコンセントに来ている100ボルトを直接加えてはいけません。即壊れる事は保証致します。

 

しかし、多くの「LED電球」は、家庭、お店、工場などの100ボルト(電源コンセント)で使用されます。従って、100ボルトを2~4ボルトに変換する必要があります。

 

この変換をするものが、最初の方で説明した多くの「電子部品」になります。

メーカー、大きさなどにより異なりますが、全部で数十個の部品が使用されています。

 

LED電球の寿命について

 

前述した様に100Vを小さい電圧に変換する為に多くの部品が必要となり、そのひとつ、ひとつが故障するリスクを背負っています。

 

LEDは半導体です。半導体は多くの製造工程と非常に精密な機械が必要であり、大きなメーカーでなければ生産することは出来ません。しかしその他の部品は中国に代表される多くの国、多くのメーカーが生産しております。この中からどの部品を選び、組立てられたかにより、故障のリスクが大きく変わってきます。

 

一般にLED電球の寿命は40,000~60,000時間と言われます。1日10時間使用して、1年で3,650時間、10年で36,500時間ですから、10年以上の寿命がある事になります。

 

しかし、寿命の40,000~60,000時間は、各メーカーとも発光部分(LED単体の部分)のことを言っておりLED電球の寿命ではありません。

 

ざっくりと言ってしまえば

 

「LED電球」の寿命は電圧を変換する部品の寿命で決まる。

 

だから!!!

 

部品の選定がしっかりしているメーカーの「LED電球」を選ぶ。

 

そうすれば

 

LED電球の故障のリスクは低くなる!!

 

などが、少しでも寿命の長い「LED電球」を選ぶ「コッ」ではないかと思います。

 

ただし、そうすると高いLED電球を買わなければなりません....

 

すごく単純に言ってしまえば、「寿命は半分で値段も半分」「寿命が2倍で値段も2倍」のLED電球があるということです。 あなたならどちらを選びますか?

 

これ以上話を進めると、電気回路技術者への説明になってしまいそうなので、この辺りで筆を置かせて頂きます。

 

それでは、あなたのお店に少しでもお役に立つことを願って・・・。

ではでは。

 



≪書いている人≫
㈱dot design office
代表:永井進治
略  歴

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